Sさんの、「過去のケガで苦しむという事はあるのですか?」突然の激痛の謎!?
たんとん先生の治療日記 No25
先生おはようです!
先生おはようございます!
先生!今までに、こんなことがあるのか!みたいな衝撃的な治療って何かありましたか?
そりゃ、師匠の「自分で治せ」から始まって、少しずつだが勉強を始めたんだ。だから、あれから45年だな。いろんな患者さんがいたよ。
じゃあ、今日から「想い出の治療記」って感じでいこうかな。
うわ~。45年!すごいですね!聞きたい聞きたい!
私が八潮市に指導に来ていた頃だから、30年前にもなるかなあ。突然、若い女性に連れられた82歳のおばあちゃんが、手拭いで腕を支えた姿で治療院に入って来られたんだ。
その方をSさんとしよう。「Sさん、どうなされましたか?」と尋ねると、『何にもしていないのに手が痛くなって。』手を確認すると、肘から手の指先まで腫れて、まるで赤ん坊の手になっているんだ。
「すごく腫れているね。」と言って「転んだんですか?」と続けた。
『いいえ、ホントに何もしていないんですよ。』と、Sさんは痛い腕を振るわせながら訴えるんだ。じゃあ、最近どっかにぶつけたりしませんでしたか?と聞いても何もしていないの一点張りで、前に進まないので治療を始めたんだよ。
覚えてないのは、認知症という事でもなくてですか?
認知症でもないんだ。なので、治療する方法はというと、今ケガをして来院された患者さんという想定でやるんだよ。
まず、徹底的な氷嚢でのアイシングをする。西洋医学では15分ぐらいだが、私は自分で試して、90分か120分やるのが一番いいんだ。
それから痛みのある所を細かく触診して、骨折がないか、筋断裂はないかなどを、一番強く痛みのある所から少しずつ治療して部位を狭めていくんだ。骨折、脱臼なら整形外科さんの領域だからね。
うわ~、大変だね!
大変だけど、患者さんは痛みと戦っているわけだからね。いち早く痛みを和らげてあげることが大切でしょ。先ずは痛みから少しでも解放されて夜は眠れるように考えて治療するんだ。
やっぱり、痛いと眠れないもんね。
そうなんじゃ。眠れないと食欲は落ちるし、神経は過敏になって痛みは強くなってしまうし、治療する先生も大変になるんだよ。
2回目に来られた時には、少し動かせるようになっていて気持ちも落ち着いてきているので、「子供のころからこんなに腕が痛くなったことがないか思い出してくださいね。」と言って帰っていただいたんだ。
そして3回目の時、『先生、この腕なんだけどね、20歳の時に田んぼの畔切をしていて、思いっきり石を叩いたことを思い出しましたよ。』と話されたので、「そうかそんときも同じように腫れて痛かったでしょう。」
『そう、ものすごく痛くてものすごく腫れたんだですよ。』やっぱりそうかと「思いだしてくれてありがとう!」と言いながら治療を続けたんだ。原因が分かれば、治療方法もそのきっかけを聞き出せば治せるからね。
え~、62年ぶりのケガってあるの。
それがあるんじゃよ。脳の記憶の奥~に残っているんだ。それが何か偶然のきっかけでフラッシュバックして、今ケガしたような状態を引き起こすんだ。オステオパシーを習っていた時に教えられていたからね。
じゃあ、何かきっかけがおばあちゃんにあったんだ。
そうなんだ。私の問診は、根掘り葉掘りの掘り下げ犯人捜しが得意でね。そのおばあちゃんは、来院された前の日に、木の枝を切って鉢に挿し木をしたんだ。その挿し木をした時の角度が、ピッタリ62年前の鍬で石を叩いた時の角度だったというわけなんだよ。
すごいだろう、脳の記憶は。
うわ~、すごいね!すごいすごい!
すごいね!そこまで気づかせてあげられる先生も、すごいね~!
いや、オステオパシーの先生は、みんなそこまで必ず深堀するよ!
だから、「原因のない痛みはないし、原因のない病気もない」と弟子にも話しているんだよ。それでも、思い出せない、何もしていない、そんなことしていない、の方も結構おられたから治療は本当に難しいけど、宝探しのようで面白いんだよ。さあ、長くなったね。学校行っておいで!
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